やけど・切り傷の手当てに、蓬(よもぎ)・アロエは効果があるの?

やけど・切り傷の手当てに、蓬(よもぎ)・アロエは効果があるの?

よもぎ餅やお灸の艾(もぐさ)に使われてきた野草「よもぎ」は、昔から日本人の健康を守る薬草でした。また、アロエはほとんどの家庭の庭先に植えられ、 「健胃」「下痢止め・便秘薬」として民間療法の中でも特に「医者いらず」とまでいわれるくらいお馴染みの植物です(妊娠中の人には危険です)。
手軽に手に入るところから、やけどや切り傷に家庭治療薬として使われてきました。にじみ出る程度の出血なら、皮膚組織を縮ませる働き(収斂作用)があるようで有効と思われます。
しかし植物ですから土などがくっついています。ばい菌をわざわざ傷口につけ化膿させることになり、傷の治りを長引かせることになります。
アロエに限らず冷たいものをやけどしたところにのせると、やけどの初期手当てとしての「冷却効果」はあるでしょう。しかし、やけどした皮膚は特に感染には弱くやけどした皮膚が化膿すればますますやけどの治りが長引くことになります。
このような療法に頼らず、傷を負ったらきれいな水で傷口を丁寧に洗い、出血していれば傷口の底にある骨に向かって圧迫、やけどの場合はまず冷却したうえで、医療機関で手当てを受けましょう。

(院長 押淵 徹)