「うなぎ」と「梅干」を一緒に食べるとお腹を壊すって本当なの?

「うなぎ」と「梅干」を一緒に食べるとお腹を壊すって本当なの?

私の小さい頃には、大人たちから「うなぎと梅干は一緒に食べたら腹をこわすから、食べたらい
けない」と教えられたものです。そのほかには、「てんぷらとスイカ」「蟹と柿」などなど、各地
に言い伝えがあります。
そのいずれも根拠はありません。江戸時代当時の高名な医学者貝原益軒の著書「養生訓」の中にさまざまな食べ合わせの例が挙げられていますが、それが広く言 い伝えられたようです。実際同時に食べてお腹をこわした人がいたから確からしく言い伝えられたのかもしれません。
しかし、いずれも医学的根拠は乏しく、2種類の食べ物に含まれている成分の組み合わせが人体に害を及ぼしたり、何らかの症状をもたらすことはありません。 ただ、脂肪の豊富なうなぎは美味しく、つい食べすぎ消化不良を起こしたり、スイカの食べすぎで消化液を薄め油分(てんぷら)を取ると不消化となり下痢した りすることは起こりえます。蟹はいたみやすくお腹をこわしやすいのに加え、最も消化しにくい柿を同時に食べてお腹をこわすことが昔は多かったのかもしれま せん。
古くからの言い伝えには様々な“してはいけない”ことがありますが、一度“本当だろうか”と調べてみましょう。お手伝いします。

(院長 押淵 徹)